仮想世界の虚無感
仮想世界に入って、遊んでいるときにふと「ここにいちゃいけない。何も変わらない」という思いが出てくるのはなぜだろう? 現実世界から逃避しているだけだと思ったから?
「ここにいちゃいけない」「何も変わらない」という感覚が出てくる理由は、以下のような心理や状況が背景にある。
現実逃避への自覚と葛藤
仮想世界は、現実の制約を離れて自由になれる空間。
ふとした瞬間、これは本当の人生ではないと意識が戻ると、「ここにいても現実は変わらない」「自分は逃げてるだけなのでは」と自己評価が急に厳しくなることがある。
楽しんでいる自分と現実を見据えようとする自分との間で葛藤が起きている状態。
快楽に対する虚無感・空虚感
仮想世界では一時的な楽しさは得られても、何かを積み上げている、自分が成長しているという実感を得にくい。
ここにいても、何も積み上がらない、という虚しさが湧き上がってくる。
時間の使い方への不安
仮想世界に何時間も没頭していると、ふと時計を見た瞬間、現実で何もできていない自分に気づく。
この時間が無駄だったのでは、という罪悪感や焦燥感が出てきやすい。
本当の居場所じゃないと感じる違和感
仮想空間は作られた世界であり、「本来の自分」「生きるべき場所」ではないという無意識の感覚が、突然浮かび上がることがある。
現実の自己と仮想空間での自己が乖離しているときに起こりやすい。
たとえば、現実での孤独を補うために仮想空間で人と交流している場合も、一時的なつながりに感じられてしまう瞬間もある。
感情のリセット作用
人は一定時間、快楽や非日常に浸ると、自律神経や脳の働きによって感情がリセットされ、急に冷静になったり無感情になったりすることがある。
このままで大丈夫?と問いかけてくる、無意識の自己防衛本能ともいえる。
仮想世界=遊園地:一時的な非日常
- 楽しくてワクワクする
- 日常では味わえない体験ができる
- 現実のストレスから解放される
- でも、ここで暮らすことはできない
なぜ、ずっとはいられないと感じるのか?
自分の時間が減っていく実感
- 遊園地では楽しいけど、1日が終わると帰らなきゃならない
- 仮想世界も同じで、ここで過ごす時間で現実が進んでしまうと感じる
楽しさが持続しないことへの気づき
- 最初は夢中になっても、繰り返すうちに慣れてしまい、感動が薄れてくる
- ふと、ここにいても、満たされることはないと感じてしまう
本当の自分は別の場所にいる気がする
- 遊園地でキャラになりきっても、それは一時の仮面だとどこかで分かっている
- 仮想空間での自分と現実の自分のズレを、無意識に感じ取っている
本質的な感覚:「帰らなきゃ」という内なる声
じゃあ、どう付き合えばいい?
- 仮想世界=心の遊園地として、リフレッシュや創造性の場にしておく
- 長く滞在したあとに空しいと思ったら、現実に何を求めてるか見直す
- 仮想世界の経験も、現実を豊かにする材料にできる
まとめ
「ここにいちゃいけない」「何も変わらない」と感じるのは、単なる否定ではなく、自分の内面が「本当はこうありたい」「現実でも何かしたい」と願っている証拠。
逃避がすべて悪いわけではないし、仮想空間での体験や癒しも大切。
ただ、このままでは満たされないという本心がそっと語りかけてきたのかもしれない。
「楽しいけど、ここにはいられない」と冷静に自分を見つめられる感覚は、仮想空間との健全な距離感を保つ上ですごく大切。